ノンアルコールビールは銘柄によって製法も味の傾向も大きく異なります。この記事では、まだ実測の試飲レビューを行っていない段階のため、味そのものを断定する評価はせず、製法・成分表示・入手性という公開情報をもとに選び方を整理します。

この記事の要点

  • ノンアルビールの製法は大きく「脱アルコール式」と「非発酵式」の2つに分かれ、味の傾向が変わります
  • 選ぶ軸は「ビールらしさ」「機能性」「糖質」「入手性」の4つです
  • 本記事は公開スペックの比較であり、試飲による味の断定評価は含みません(試飲後に別途更新予定)

私たちは「実際に飲んでいない銘柄を、あたかも飲んだかのように語る」ことをしません。SHIRAFUが目指すのは、誠実な情報に基づいて選べる状態をつくることです。そのため本記事では、味の好みが分かれる「おいしさ」の断定評価ではなく、誰が見ても同じ結論にたどり着ける「公開スペック」を軸に比較します。試飲レビューは実施後、あらためて別記事として公開する予定です。

ノンアルビールの2つの製法

ノンアルコールビールは、製法によって大きく2つのタイプに分かれます。

脱アルコール式: 通常のビールと同じ工程で発酵させたあと、蒸留などの方法でアルコール分だけを取り除く製法です。発酵由来の香りやコクが残りやすい傾向があると言われています。

非発酵式: そもそもアルコールを生成する発酵の工程を行わず、麦芽やホップの風味を組み合わせてビールらしい味わいを再現する製法です。国内の0.00%表示の製品の多くはこの方式、またはこれに近い製法を採用していると言われています。

どちらの製法が優れているというものではなく、味の傾向が異なるという理解が適切です。具体的にどの銘柄がどちらの製法かについては、各メーカーの公式サイトの製法解説ページで確認するのが確実です。

パッケージを見ただけでは、どちらの製法かを判別するのは難しいのが実情です。原材料表示に「発酵」に関する記載があるか、公式サイトの製法解説ページを確認するのが確実な方法です。迷ったときは、メーカーへの問い合わせも有効です。

なお、海外では発酵を途中で止める「発酵制御式」を採用し、0.0%ではなく0.5%前後の微アルコールに仕上げる製品も見られます。この場合はアルコールがわずかに残るため、運転前や妊娠中は避けるべき製品に該当します。購入時はアルコール分の表示を必ず確認してください。

選び方の4軸

ノンアルビールを選ぶときは、次の4つの軸で考えると自分に合う1本が見つけやすくなります。

1. ビールらしさ: 苦味や炭酸の強さなど、本物のビールにどれだけ近い体験を求めるか。

2. 機能性: 糖質・カロリー・プリン体といった表示に加え、機能性表示食品として届出がある製品かどうか。

3. 糖質: ダイエットや健康管理を意識する場合、糖質・カロリーの表示は重要な判断材料になります。

4. 入手性: コンビニ・スーパーで手軽に買えるか、専門店やオンライン限定かによって、日常使いできるかどうかが変わります。

この4軸のうち、自分が最も重視する軸を1〜2個に絞ると、数ある銘柄の中から選びやすくなります。例えば「ビールらしさ」と「入手性」を重視するなら大手メーカーの定番品から、「機能性」と「糖質」を重視するなら成分表示を細かく比較する、といった具合です。

購入前に確認しておきたいポイントをまとめると、次の5つになります。

主要銘柄スペック比較表

以下は国内主要メーカー・海外の著名銘柄について、公開されている情報をもとにまとめた比較表です。味の評価(おいしさ・ビール感の強さなど)は含んでいません。 数値や表示内容は変更される場合があるため、購入前に必ず各メーカーの公式情報をご確認ください。

銘柄分類アルコール分表示主な訴求ポイント入手チャネル
アサヒ ドライゼロ国内大手0.00%カロリーゼロ・糖質ゼロ表示コンビニ・スーパー
サントリー オールフリー国内大手0.00%カロリーゼロ・糖質ゼロ・プリン体ゼロ表示コンビニ・スーパー
キリン グリーンズフリー国内大手0.00%厳選ホップの香りや、コーヒーチェリー由来素材の活用など素材へのこだわりを訴求コンビニ・スーパー
サッポロ プレミアム アルコールフリー国内大手0.00%麦芽100%の麦汁を使い、コクのある味わいを訴求(現行販売中の商品)コンビニ・スーパー
Heineken 0.0海外(輸入)0.0%(公式表示。実際は最大0.03%)通常のビールを醸造したあと真空蒸留でアルコールを除去する脱アルコール式を採用輸入食品店・オンライン
Erdinger Alkoholfrei海外(輸入)0.5%未満(独の公式表示)アイソトニック飲料として、運動後の水分・ミネラル補給向けに訴求輸入食品店・オンライン

この表は「どれが買えるか・どんな謳い文句か」を整理したものであり、優劣をつけるものではありません。糖質・カロリーの具体的な数値やプリン体表示の有無は、パッケージや公式サイトで必ず最新情報を確認してください。

注意: Erdinger Alkoholfreiはドイツの公式表示で「0.5%未満」とされており、国内の0.00%表示製品や、後述する「微アルコール」に近い数値です。運転前や妊娠中など、アルコール分をゼロにしたい場面では、0.00%表示の製品を選んでください。

また、この表に載っていない銘柄も数多く存在します。ノンアルコールビール市場は新製品の入れ替わりが早い分野のため、本記事は主要な定番品を中心とした一例としてご覧ください。今後、試飲レビューとあわせて掲載銘柄を拡充していく予定です。

なお、この比較表は特定の銘柄を推奨するものではありません。SHIRAFUは自社ブランドを持たず、特定のものに偏らない立場で情報を整理することを掲載基準としています。どの銘柄が自分に合うかは、最終的には4軸のうちどれを重視するか次第です。

タイプ別の選び方

とにかくビール感がほしい人: 苦味と炭酸の強さを重視するなら、大手メーカーの定番商品から試し、自分の「ビールらしさ」の基準に近いものを探すのがおすすめです。

健康志向の人: カロリーゼロ・糖質ゼロを表示している製品を軸に選び、プリン体表示のある製品を優先すると選びやすくなります。

クラフト志向の人: 大手以外にも、クラフトビールメーカーがノンアルコールビールを展開する例が増えています。麦芽の種類やホップの個性を訴求する製品を探してみるのも一つの方法です。

低糖質・低カロリーを最優先したい人: 表示されている数値を横並びで比較し、糖質・カロリーともにゼロ表示の製品から検討するのが確実です。表示は改定されることがあるため、購入時点の最新パッケージを必ず確認してください。

よくある疑問

ノンアルコールビールが「体に悪いのでは」という疑問を持つ方もいますが、これは糖質・カロリー表示や添加物の内容など製品ごとに異なる要素が絡むため、一概には言えません。この点については別記事で詳しく取り上げる予定です。

また、「ノンアルコールビールを飲み続けると太るのでは」という声もありますが、これも製品ごとの糖質・カロリー表示によって大きく異なります。糖質・カロリーゼロ表示の製品を選べば、その点での懸念は小さくなりますが、飲む量や頻度も含めて考えるとよいでしょう。

代わりの一杯全体の選び方については、大人のノンアル完全ガイドもあわせてご覧ください。

よくある質問

一番ビールに近いのはどれですか?

「ビールらしさ」の感じ方には個人差があり、まだ実測の試飲評価を行っていないため、現時点では断定的にお答えできません。試飲レビュー実施後に本記事を更新予定です。

ノンアルビールで酔った感覚になることはありますか?

アルコール分0.00%の製品であれば、アルコールによる酩酊は起こりません。炭酸や香りによる気分転換の効果はあります。

プリン体ゼロとはどういう意味ですか?

プリン体は痛風の原因物質として知られる成分です。「プリン体ゼロ」表示は、法律で定められた栄養成分表示基準の対象ではなく、飲料業界の自主基準として、100mlあたりのプリン体含有量が0.5mg未満の場合に用いられる表示とされています。正確な基準や数値は製品パッケージの表示でご確認ください。

微アルコール(1%未満)の商品とはどう違いますか?

0.00%表示の製品とは異なり、微量のアルコールを含む製品です。運転前や妊娠中は0.00%表示の製品を選ぶことをおすすめします。

脱アルコール式と非発酵式、どちらが主流ですか?

国内の大手メーカーは非発酵式(またはそれに近い製法)を採用しているとされる例が多く、海外ブランドにはHeineken 0.0のように、通常のビールを醸造したあと蒸留でアルコールを除去する脱アルコール式を採用する銘柄もあります。

開封後はどのくらい日持ちしますか?

一般的な清涼飲料と同様、開封後は炭酸が抜けやすく風味も変化するため、早めに飲み切ることをおすすめします。具体的な保存期間は製品パッケージの表示に従ってください。

参考文献